《はじめに》

今から述べることは、前提として「現行のルールがあるにもかかわらず、気付かずにのほほん指くわえて、へらへらして、鼻ほじって今日まで過ごしてきた自分が悪い。」というのがあってのことです。それでも、「こんななまけものの私でも有権者として今回の参院選に投票したいという気持ちがあるんだからなんとか制度を見直せませんか」というお話です。

とりあえず、結論からいうと、私、今回の参院選投票できません。

今日大使館で聞いた話をもとにすると”post-sekoi”選も危ういです。そろそろ参院選だなーと思って大使館にどうやったら投票できますかというのを電話で確認したところ、

まず「在外選挙人登録」を行う必要があること、

そして、その登録に2ヶ月がかかるということ、

がわかり、今回の参議院選には投票が不可能なようです。

《在外選挙制度とは》

この在外選挙制度、「海外に住んでいるアナタでも3ヶ月以上その国に定住していれば、国政に参加することができちゃうんです!」という制度。

まずもうこの時点で自分の目線と違うなと思ってしまいます。何この特別感。海外にいても日本人だし有権者だし、そんなん当たり前じゃないの?というのが自分のなかにあって。

もちろん2000年(平成12年)に始まった当初はその「特別」感覚でいいとしても、もう15年以上経っている。

2000年というと私は中学生で、カメラ、Iモードがついている携帯電話が最先端だったころ。ネットもISDNでようやく使い放題プランがでてき始めた頃。イチローも日本での最終年で振り子打法の面影を若干残し、まもなく3000本といわれているIchi-meterがまだ0だった頃。「海外」というとやっぱりまだ遠くて、みんな電波少年のヒッチハイクや中田ヒデのイタリアでの活躍に胸躍らされていた時代。

まあ、その時点でのこの「特別感」はうなずける。

しかしもう2016年。

携帯電話はスマートフォンになり、Ichi-meterは3000に近づき、白い雲のようにとか言ってた猿岩石は毒を吐き、中田ヒデが「人生とは旅である」と言ってサッカーを引退してもう10年経とうとしているこのご時世に。これだけ色んなことが変わって、海外で生活することが身近になっているのに、まだこの制度の根本にあるマインドセットは変わっていない模様です。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/hoho.html

《なんで在留届と一緒にできないのか?》

海外で生活する日本人は在留届というものを居住している国の日本大使館に出します。これは法律で3ヶ月以上外国に滞在する日本人には義務のようです。いろいろ書いてますが、要は「日本人として私はこの国のこの住所に3ヶ月以上住みます・住んでます」というを国に届け出ることです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/
シンプルになんでこれと在外選挙人登録が一緒にならないものかと思ってしまう。3ヶ月という時間軸も一致する。

日本にいれば住民票に記載している住所に選挙の案内が届くはず。同じ感覚で一有権者として、海外でも大使館(日本国)に住んでいる場所を通知したのだから、案内が来ても不思議ではないと自分の感覚では思ってしまう。

でも「日本人としてこの国のこの住所に住んでますよ」という在留届と、「海外にいる私でも、特別に参政権を行使するように登録させてください」という在外選挙人登録は別なのである。

《なぜ2ヶ月かかる?》

http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/flow.html

あまりに刺激的なフローチャートがこのリンクに貼られています。さすがにこれは制度施行当初のものでもう変わっていると思いたい。まさかの個人⇒大使館⇒外務省⇒市区町村⇒外務省⇒大使館⇒個人で申請書と在外選挙証が地球と日本列島をかけめぐる。

2ヶ月、60日間かけて地球と日本列島、豪華客船の旅じゃねえんだからと。

これが本当に正しいのだとすると、ものすごいコストがかかっていることになる。この時間軸もコストも民間企業の感覚なら許されないと思う。それなりの大きな企業でも2ヶ月あれば何百億円という投資の決済もさすがにできる。

うわさのマイナンバー制度はどうしたんでしょうか。

 

《消えた一票》

今回有権者としてカウントされている私の一票は、inactiveということになります。住民票も日本にないから日本に案内が届いているわけではない。これを投票率の分母に加えられているとしたら、本当にやるせない。かと言って勝手に「オート与党」とかいう設定になって投票されたりしたらもう絶望するだろうからそれよりはマシだと思うしかない。

 

《さいごに》

ということでなんとかいろいろできそうな制度です。これから海外で「日本人」という看板を背負って/背負わされて働く人たちはもっと増えていくと思う。特に投票率が低いと言われている、20代に。

まずこの手続きの簡素化と時間軸の短縮を考えたい。そしてそのために、「海外に住んでいるということは特別である」というマインドセットも変えてほしい。

とは言え、現行のルールを理解しておらず動けていない自分がまず悪いんですが。でもなんとかやりようはあると思う。