先々週のことになるが、六本木で行われていた「未来を変えるデザイン展」のワークショップ「未来を変えるエネルギービジネス -2030年のエネルギーシステムを考える-」に参加してきた。

http://soket.peatix.com/

<non OECD国と再生可能エネルギーの親和性>

 再生可能エネルギーと聞くと最先端科学で先進国が導入する技術というイメージであったが今回話を聞いてみて考え方が変わった。日本でも3.11を機に、これまでの原発や火力などの大規模な発電所で発電された電気を使うという大規模一極集中型モデルから、中小規模(メインは再生可能エネルギー)の発電所を各地に点在させそこから電力を供給してもらう「小規模拡散モデル(=地産地消型)」へ転換するべきか否かというエネルギーミックスに関する議論が行われている。日本では実際には既存の発電所の投資の回収などを考えると急激にシフトしていくことは経済合理性の観点からすると難しいようである。

このエネルギーミックスについての議論はもちろんであるがnon OECDの国でも行われているが、日本のようなOECD国と発想の前提が異なる。100%需給バランスが取れている先進国は100の割合をどうシフトさせるかという考え方になるが、non OECDの国では100%に届いてない現状で、どう100に近づけていくかというところも考えていかなければならない。Non OECDの国々にとってはできるだけ安価で電気を国に普及させ、その国の生産力をあげていくことが重要となる。

今回のワークショップではバングラデシュでの研究結果が共有された。研究結果によるとバングラデシュで国全体の電力供給体制を作った場合、経済合理性の観点から見ると多くの地域で小規模拡散型モデルの方が安価に導入することができることがわかった。グリッド(配電網)ですら未整備の地域が多いnon OECD国では、トータルのコストという視点で見れば、大規模一極集中型と小規模拡散型のどちらかを検討する際に小規模拡散型の方が経済合理性があるといえる地域が多いようだ。今後はますます小規模

 担当している業務のせいか、先進国は大規模な火力発電所というイメージを勝手に持っていたが、今回の発表を聞いて改めなければならないと感じた。またもし今後、新興国市場で太陽光などの小型な再生可能エネルギーへの需要が高まれば、市場の参入障壁が低くなり多数のプレイヤーでの戦いとなる。大規模プロジェクトへ資金をつけてきた商社の存在意義を脅かすものとなるかもしれない。

60億人いる世界の人口の中で13億人がまだ電気にアクセスできず、そのうち6億人はアフリカにいるという。電気を届けることで人は幸せになれるのかはわからないが、可能性(選択肢)をひろげられるという意味では一助になれると思う。邁進したい。

<テクノロジー、イノベーションの考え方>

正直、電力を扱っているものの高校で理系を1日目から断念した自分にとっては電気の仕組みとか発電の仕組みとかなかなか難しく、職場でもいつも技術のバックグランドを持った方に噛み砕いて教えてもらっている。そんな自分も勇気づけられる話を今回聞いた。

登壇者の1人は船舶でいかに燃料を使わずに効率的に運転ができるかという研究を続けていたという。長い年月をかけて船舶の構造を試行錯誤し数%の効率化を達成できるという世界で、ある日イノベーションが起こったらしい。天気予報の新しいサービスで潮や波の動きを分析し、最適な運行ルートを示すサービスが始まり燃料消費の効率が格段とあがったという。

一歩下がってゴールを見つめ直すことで新たに道ができる。そんな当たり前のことだが改めて思い知らされたエピソードだった。

<Soketという組織>

今回のワークショップを企画したSoketというNPOは普段は企業で働く人たちを中心となっている組織らしい。外資系の金融やコンサル、MBAホルダーと圧倒される(おじけづいているわけではないよ)バックグランドを持つ方々が普段所属している企業とは別で社会的な活動に関わっていくという組織らしい。このブログで何回か言っているように、自分自身も平日企業、週末NPOという両立を目指しているのでなんとなくロールモデルを発見することができて大きな発見となった。

ワークショップの後、直接スタッフの方と会話したら、PLASのことを知っていた。ETICのプレゼンで一緒だったらしい。なにかと縁を感じてしまった。

http://www.soket.me/

<日本の再生可能エネルギー市場>

今回のワークショップで登壇した方々は30代前半の世代が多かったように思える。前述したSoketもそうであるが、自然電力の代表取締役はリクルート出身とのこと。電力の産業というと、やはり既得権益というか大人のビジネスという印象が強いのですが少しずつそれもシフトしていくだろうしさせなければいけないと思う。

http://www.shizenenergy.net/

自分の会社でやってきたこと、PLASでやってきたこと、これからやっていきたいことが色々リンクした面白い時間だった。

エネルギー進化論: 「第4の革命」が日本を変える (ちくま新書)地域主導のエネルギー革命マグマ (角川文庫)