ヒッチコックの「めまい-veritigo-」を観た。

何かを失った時に人は失ったものを取り返そうとする。

それがその人にとって大切なもの、かけがえのないものであればあるほど。

何を当てはめてみてもうまることのない穴であることはわかっていても。

その取り戻そうとする力は大きければ大きいほど代替物はこわれやすい。

そして壊れては埋めようとして必死になるがあまりまた壊れ、また埋めようとする。

それを続けていくことで代替物は少しずつ変質化していく。

とまることのない螺旋の中でその螺旋の存在を認識しながらも螺旋を走り続ける。

何かを失うことで人は「くやしさをばねに」というポジティブな表現で新たな代替物を造りだそうととんでもない力を発揮する。世間一般から見れば時にしてそれは「創造的」や「革命」という言葉になることもあるが、本人からすると変質した代替物なのかもしれない。

めまい [DVD]