先ほどアップリンクで見てきたドキュメンタリー映画

 http://www.uplink.co.jp/monsanto/

social mediaの台頭でかなり世界が民主主義化されるだろうと割とpositiveに未来をとらえているのだけれど、それでもやはり力を及ぼすことのできないsuper powerがまだ存在しており、拡大を続けているということを再認識させられた。70年代に2000年代の食糧問題を描いた映画「ソイレントグリーン」の世界が実際に現代に起こっていることに若干の衝撃を受けた。

モンサントはround upと呼ばれる人体にも有害な影響を及ぼす強力な除草剤とその除草剤に耐性をもつ遺伝子組替作物の種子を世界中に展開させている超巨大多国籍企業。有力な政治家(及び研究者)を巻き込み遺伝子組替作物の規制緩和を促し、国中の農家に遺伝子組替が行われた種子および抱き合わせで販売されるround upを売りさばく。モンサントは収穫後の来期用の種子の保存を知的財産の侵害として厳しく取り締まる。結果的に農家は同社に依存せざる得ない状況となる。現在アメリカの遺伝子組替大豆は全体の70%を占めるらしいが、実際に消費者が製品を手にする時にはそれが遺伝子組替食品がどうかはわからないらしい。自分も2007-2008年にアメリカに在住していたので、高い確率でモンサントにお世話になっていることになる。

 彼らは各国の種子販売会社を買収してこのモデルを全世界に展開させようとしている。映画ではモンサントによって食い散らかされたインドの綿花市場が描かれていた。収穫高が3割あがると謳われた通常よりも高い種子を買わされて、事業は逼迫し結局不作に陥った農家では自殺も頻繁に起こっているという。また南米の諸国では遺伝子組換製品を禁止していたものの、アメリカとの自由貿易の協定のなかで流入してきた遺伝子組換作物が空気中で在来種と交配し、遺伝子組替作物を法律上認めないと国の農業のシステムが壊れてしまう状態になってしまっている。またround upによって肌がただれてきてしまった少年も映画では描かれていた。

このようなモンサントの世界征服を「日本を追い込む5つの罠」の著者カレルヴァンウォルフレン氏は農業帝国主義「agri-imperialism」と評している。

この農業帝国主義の影響を日本が被る可能性がTPPの参画によって高まってくる。「開国」「日本農業システムの効率化」をうたったTPPは参加国間の関税を撤廃して参加国間の貿易を促進をおこなうものとなっているが、それは同時に遺伝子組換商品の取り扱いをはじめとした規制、基準の統一化も行われることになる。もしアメリカのスタンダードに日本が合わせることになった場合は間違いなくモンサントの手は日本の農業にのびてくる。

モンサントのような企業が日本に入ってくることは、震災によって気付いた日本が犯した過去の過ちを繰り返すことになると思う。巨大な寡占組織が有力な政治家を巻き込み、民衆の見えないレベルで事業を進める。そんなモデルがうまくいかなかったことは原発事故で気付かされたはずである。そのようなシステムをできるだけこまぎれ、分離して地産地消、民主化を進めていこうという流れがあるにも関わらずTPPに参画し、アメリカの巨大外資企業による寡占を許すことは上記の流れと全く逆行する。「開国」「国際化」は進めなければいけないとは思うが、方法をもう一度問い直すべきだと思う。

以前の記事でも書かせてもらったが、政策を決める人は日本に、世界にとって何がよいか独立した視点で考えてもらいたい。以前の日本は財界と政界が手を取り合って日本にとって何が良いのかというのを考えて政策をすすめてきたのかもしれないが、グローバル化された社会においては、企業は事業を行う場所(国)を自由に選び、利益を追求することが役割なのである。policy makerは企業の顔色を伺うことなくその政策の及ぶ範囲(国であり世界)にとって何がよいのか考えるべきである。

<参考>

imageimage